ここでは、「両立支援等助成金(子育てパパ支援助成金)」についてご説明します。男性社員に育休を5日間以上取得させることにより受給できる助成金です。
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出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)の目指すところ(趣旨)
厚生労働省の発表によると、2020年度の男性育休取得率は12.65%だったとのことです。これは2019年以前に比べると増加傾向とはいえ、女性の83%に比べるとまだまだその水準は低いと言わざるを得ません。
パパとママの2人で育児に参加することの意義は非常に大きいと言えます。特に出産直後のパパによる支援は、母親にとって大きな力になると聞きます。そこで、男性の育児参加を促進するため、この助成金が設けられました。
まだまだ、男性の育休取得に厳しい雰囲気のある会社もあるのかもしれませんが、いきなり育休1年取らせてくださいなんて言いません。
この助成金は、男性社員に連続5日以上育休を取得させた場合に支給されるものです。支給額は20万円(令和4年4月から)、1事業主について1回限りとなります。それだけ、国としても男性の育休促進に本気なのです。
この助成金を活用して、少しずつでも、男性社員の仕事と家庭の両立をサポートしていただきたいと思います。
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)の支給額
20万円(1事業主1回限り)
※代替要員加算:20万円(代替要員が3人以上の場合45万円)
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)の受給までの流れ
- 育児休業規程を作成(育児休業、育児目的休暇の内容を含み、最新法令にあっているもの)
▼ - 一般事業主行動計画を労働局へ届出
▼ - 行動計画を「両立支援のひろば」のサイト等で公開
▼ - 育休等取得開始日までに、全社員に対して育休等の制度を周知
▼ - 育児休業または育児目的休暇を取得
<育児休業の場合>出生後8週間以内に、5日連続
<育児目的休暇の場合>出生前6週間~出生後8週間の間に合計5日取得
▼ - 2カ月以内に助成金支給申請
▼ - 助成金入金
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)の主な要件
ここでは、出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)を受給するための主な要件をご紹介しますが、ここに書かれていない細かな要件もあります。具体的な案件については直接ご相談ください。
- 男性労働者の休業等開始前に、育児休業制度などを就業規則に定めていること
- 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を策定し、労働局に届け出ていること
- 子の出生後8週間以内に連続5日以上の育児休業を男性労働者に与えたこと
- 雇用環境整備措置(育児休業に関する会社の方針を周知する、相談窓口を設置するなど)を実施すること
- 対象の男性労働者を育児休業または育児目的休暇の取得日から支給申請日まで、雇用保険被保険者として継続して雇用していること
出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)の注意点
要件について、育児休業、育児目的休暇の前に準備すべきことが多いというのが特徴です。何の準備もなくいきなり育休を取得させても支給されませんので、ご注意ください。
就業規則の定めについては、最新法令に適合した育児休業等の規程が必要なのですが、育児関連法令は頻繁に改正があります(直近では、2022年10月にも改正あり)。
なので、内容について専門家である社労士にチェックしてもらうか、作成を依頼したほうが確実です。
また、「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」というのが、耳慣れない制度だと思います。
作成するのみでなく、「両立支援のひろば」というサイトへの掲載など、手続きが複雑です。これも当事務所にご依頼いただければ、計画書の内容のご提案、労働局への提出や公表の手続きは代行いたしますが、慣れていないとかなり大変だと思います。
※「次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画」は、ご紹介した「出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」のほか、「育児休業等支援コース」の申請でも必要となるものです。