男性労働者が育児休業を取得することを支援する「両立支援等助成金 出生時両立支援コース(子育てパパ支援助成金)」が、令和4年4月から変更になります。
前回のコラムでは、支給額や支給回数が令和3年度より減少すること、育児介護休業法の改正に合わせて支給要件も変更になること(複数の雇用環境整備措置を実施)などについてご説明しました。
今回は、今回新設される「男性労働者の育児休業取得率が上昇した場合の助成金」(第2種)についてご説明します。
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3年以内に男性の育休取得率30%以上アップで支給される
単発で1人が育児休業を取得するだけでなく、会社全体として育児休業取得率を上昇させることにより追加で助成金が支給されます。
主な受給要件と支給額は、以下の通りです。
支給要件
(1)「第1種」の子育てパパ支援助成金の支給を受けていること
「第1種」というのは、前回ご説明した、育児休業を5日以上連続して取得すると支給される20万円の助成金のことです。
(2)育児・介護休業法に規定する雇用環境整備の措置を複数実施すること
前回のコラムでもご説明しましたが、育児休業に関する研修、相談窓口の設置、育児休業を取得した従業員の事例紹介、育休促進方針の周知のうち2つ以上の実施が必要になります。
(3)育児休業取得者の業務を代替する労働者の業務見直しに係る規定を策定し、当該規定に基づき業務体制の整備をしていること。
(4)男性労働者の育児休業取得率が、「第1種」の支給を受けてから3事業年度以内に30%以上上昇していること。
(5)育児休業を取得した男性労働者が、「第1種」の申請に係る者の他に2名以上いること。
助成金額
「第1種」の助成金の支給を受けてから育児休業取得率が30%以上上昇するまでの年数によって、次のとおり支給されます。
・1年以内の場合:60万円(75万円)
・2年以内の場合:40万円(65万円)
・3年以内の場合:20万円(35万円)
※( )内は、生産性要件を満たした場合の支給額です。
まとめ
新設された子育てパパ支援助成金(第2種)についてご説明しました。
簡単に言うと、3年以内に男性労働者の育休取得率を30%以上にするともらえる助成金です。この30%以上の計算方法や代替労働者に関する規定の具体的な内容は、4月以降に支給要領が公表されると思いますので、情報を入手次第、コラムなどで改めてお知らせします。
国としては、社会全体として男性労働者の育児休業取得を促進したいという方針があり、このような助成金制度を新設したものと思われます。
この助成金を狙おうと思うと、会社としては、たまたま1人の男性労働者に育休を取得させるだけではなくて、その試みを継続的に行っていくこと、また代替要員などに関する制度設計も求められます。ただ、5日間という短期間でもパパを子育てに参加させてあげることで、仕事と家庭との両立を支援できますし、結果として従業員の会社に対する満足度も上がると思います。
個人的に私も2人の子どもの父親ということもあり、この助成金は積極的にご提案していきたいと考えております。ご興味のある会社や個人事業主の方がいらっしゃいましたら、お気軽にご相談ください。