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【令和4年1月法改正】健康保険の傷病手当金が充実します

2021-12-25

業務外の病気やケガ(私傷病)で会社を休んだとき、健康保険から支給される「傷病手当金」。

休んで給料が支給されない期間、所得補償として、だいたいですが給与の3分の2が支給されるものです。

(なお、仕事中や通勤途中での病気やケガは労災になりますので、傷病手当金は使いません)

最近、転倒による骨折などのケガによるもの以外にも、精神的な疾患(うつ病、自律神経失調症など)によりやむを得ず一時的に休職される従業員に関する傷病手当金申請のご相談が増えています。 今回の法改正は、療養が長期間にわたり、一定期間経過により再発するようなケースにおいては、所得補償をより充実させる方向での改正になります。

法改正の内容~「通算」1年6か月まで支給される

これまでは、傷病手当金の支給開始日から1年6か月経過すると、それ以降は受給できませんでした。

それが、令和4年1月からは、「通算して1年6か月」分、傷病手当金の支給がされることになりました。

これだけ聞くと「何が違うの?」という感じだと思うので、具体例を挙げてご説明します。

【改正前】

たとえば、

令和2年3月4日  傷病手当金の支給が開始

令和2年10月31日 いったん仕事復帰(治癒)

令和3年2月1日  同じ病気ケガが原因で再度欠勤

令和3年7月5日  傷病手当金の支給開始から1年6か月経過

令和3年10月1日 ふたたび仕事復帰(治癒) 

という場合、傷病手当金をもらえるのは令和2年3月4日~令和2年10月31日の242日間と、令和3年2月1日~令和3年7月5日の155日間、合計すると397日分だけでした。

1年6か月経過する令和3年7月5日で打ち切りなので、7月6日~9月30日は支給対象外でした。

【改正後】

それが令和4年1月の法改正後は、以下のようになります。

上の例と、日付をちょうど2年ずらした例で説明します。

令和4年3月4日  傷病手当金の支給が開始

令和4年5月31日 いったん仕事復帰(治癒)

令和5年2月1日  同じ病気ケガが原因で再度欠勤

令和5年7月5日  傷病手当金の支給開始から1年6か月経過

令和5年10月1日 ふたたび仕事復帰(治癒)

この場合、令和4年3月4日から通算1年6か月経過する令和5年9月3日までの日数分、具体的には549日分までは傷病手当金を受給することができます。令和5年7月5日を過ぎても関係ありません。

令和2年3月4日~令和2年10月31日の242日間と、令和3年2月1日~令和3年9月30日の242日間、合計して484日分(<549日)の傷病手当金を受給することができます。受給できる期間が増えたということですね。

まとめ

以上、傷病手当金の改正内容(令和4年1月)についてご説明しました。

最初に述べた通り、精神的疾患での休職事例が増えており、かつ精神的疾患はいったん治癒しても再発しやすいという傾向があります。

会社としては、充実した傷病手当金の申請により当該従業員の所得補償をはかることが望まれます。また、仮に復職できずそのまま退職となった場合も、会社が適切にこのような申請をしてあげていれば、円満な退職につなげやすくなるとも言えます。 当事務所では、傷病手当金の申請代行はもちろんのこと、私傷病休職制度を就業規則に規定したり、実際の休職事例における運用する場合などのご相談をお受けしていますので、お気軽にご相談ください。

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