このページの目次
建設業許可の取得期間「最短1.5ヶ月」は本当か?
「元請けから、すぐに建設業許可を取るように言われている」「もうすぐ建設業許可が必要になる規模の工事を受注できそうなのに、許可がない…」
このような状況で、建設業許可の取得までどれくらいの期間がかかるのか、一刻も早く知りたいとお考えではないでしょうか。
結論から申し上げますと、建設業許可の取得期間は、すべてがスムーズに進んだ場合で最短約1.5ヶ月~2ヶ月が目安となります。しかし、これはあくまで理想的なケースです。「役所に書類を出せば数日で許可証がもらえる」といったことは決してありません。
なぜなら、許可取得までの道のりは、大きく2つのフェーズに分かれているからです。この2つの期間を正しく理解することが、最短スケジュールを考える上での絶対的な前提条件となります。建設業許可の全体像については、建設業許可の基礎知識で体系的に解説していますので、併せてご覧ください。
期間の内訳:①書類の準備期間 + ②行政の審査期間

建設業許可を取得するまでの期間は、以下の2つの合計で決まります。
- ①申請書類の準備期間:申請者側で必要書類を収集・作成する期間
- ②行政の審査期間:申請書類を提出してから、行政が審査を行う期間
ここでの最重要ポイントは、①の「準備期間」はあなたの努力や工夫次第で短縮できる可能性がある一方、②の「審査期間」は誰にも短縮できないという点です。
一般的に、ご自身で申請準備を始めると、必要書類の収集や作成に1ヶ月以上かかることも珍しくありません。そして、ようやく書類を提出しても、そこから行政の審査で約1ヶ月~2ヶ月待つことになります。
つまり、建設業許可の取得には、合計で数ヶ月を要する場合があります。この現実をまず受け止め、現実的なスケジュールを立てることが、ビジネスチャンスを逃さないための第一歩となります。例えば、許可の要件である財産的基礎を証明するために残高証明書を利用する場合など、緻密なスケジュール管理が求められる場面もあります。
行政の「審査期間」は申請者側で短縮しにくい
「何か特別な方法で審査を早めてもらえないだろうか?」「行政書士に頼めば、役所に顔が利いて早くしてもらえるのでは?」
お急ぎの状況であればあるほど、こうした期待を抱いてしまうかもしれません。しかし、専門家として実務上お伝えすると、行政の「審査期間(標準処理期間)」は、申請者側の都合で短縮することは基本的にできません。
これは行政手続法で定められた公的なルールであり、すべての申請者を公平に扱うために設けられています。申請内容に不備がないか、許可要件を本当に満たしているかを厳格に審査するため、一定の期間が必要なのです。これは私たち専門家が申請を代行した場合でも、一切変わりません。
この審査期間の存在を理解することが、現実的なスケジュールを立てる出発点となります。
東京都は約25開庁日、神奈川県は約50日。自治体ごとの審査日数
審査期間は、申請先の自治体によって大きく異なります。標準処理期間の日数の数え方は自治体によって異なり、閉庁日を除く場合と、土日祝日を含む場合があります。
| 自治体 | 標準処理期間の目安 | 実質的な期間の目安 |
|---|---|---|
| 東京都 | 約25開庁日 | 約1ヶ月強 |
| 神奈川県 | 約50日 | 約1ヶ月半 |
| 埼玉県 | 約30日 | 約1ヶ月半 |
| 千葉県 | 約45日(土日祝日を含む) | 約1ヶ月半 |
例えば、神奈川県で知事許可を申請する場合、書類を提出してから許可が下りるまで1ヶ月以上かかる計算になります。この期間はひたすら待つしかありません。だからこそ、この審査期間から逆算し、いかにして「準備期間」を圧縮するかが勝負の分かれ目となるのです。
自力申請で許可取得が遅れやすい3つの原因

「費用を抑えるために、自分で申請してみよう」と考える方もいらっしゃるかもしれません。しかし、その選択が結果的にビジネスチャンスを逃す大きなタイムロスに繋がるケースが後を絶ちません。建設業許可の申請は、単に書類を揃えるだけではないのです。ここでは、自力申請で多くの方がつまずく3つの典型的な落とし穴をご紹介します。
落とし穴①:難解な手引きの読解と頻繁な窓口通い
まず最初の壁は、行政が発行する「申請の手引き」の読解です。何十ページにもわたる手引きは専門用語のオンパレードで、自社のケースでどの書類が必要なのか、どう書けば良いのかを正確に判断するだけでも一苦労です。
そして、ようやく書類を揃えて平日の昼間に本業を止めて役所の窓口へ行っても、「ここの書き方が違います」「この書類が足りません」と、些細な不備を理由に突き返されることが日常茶飯事です。そのたびに会社に戻って修正し、また役所へ行く…この繰り返しで、あっという間に1ヶ月以上が経過してしまうことも決して珍しくありません。
落とし穴②:証明書類の収集に想定外の時間がかかる
建設業許可の申請書類には、ご自身の会社だけでは完結しないものが数多く含まれます。これが、スケジュールを狂わせる大きな原因となります。
特に難航しがちなのが、経営経験や技術者の実務経験を証明するプロセスです。
- 「前職の会社に実務経験の証明印をもらいたいが、担当者が退職していて話が進まない…」
- 「過去の取引先に、数年前の契約書や注文書の写しをお願いするのが気まずい…」
- 「身分証明書や登記簿謄本、納税証明書など、複数の役所を平日に回る時間がない…」
このように、他社の協力が必要な書類や、複数の役所を回って集める公的書類は、想定外の時間がかかるものです。たった一つの書類が足りないだけで、申請は完全にストップしてしまいます。また、自宅兼事務所で申請する場合など、営業所の要件を満たすための写真撮影や準備にも手間がかかることがあります。
落とし穴③:要件の解釈ミスによる申請の長期化・不許可
これが最も致命的な落とし穴です。経営業務の管理責任者や専任技術者といった人的要件は、建設業法上の解釈が非常に複雑です。
例えば、「常勤性」をどう証明するか、過去の経験が申請したい建設工事の種類の実務経験として認められるかなど、専門家でなければ判断が難しいポイントが数多く存在します。
もし、ご自身で「要件を満たしているはず」と判断して申請しても、審査の段階で「要件を満たしていません」と判断されれば、数ヶ月後に不許可通知が届くことになります。そうなれば、支払った申請手数料も、費やした時間も、すべてが無駄になってしまうのです。
最短で許可取得を目指すなら「準備期間」の短縮が重要
ここまでお読みいただければ、もうお分かりかと思います。
絶対に短縮できない「審査期間」という壁がある以上、建設業許可取得をできるだけ早く進めるには、専門家を活用して「準備期間」の無駄を減らすことが重要です。
私たち行政書士に依頼することは、単なる手続きの代行ではありません。それは、社長の貴重な時間を守り、目前にあるビジネスチャンスを逃さないための「時間を買う」という戦略的な経営判断なのです。
「元請けから指定された期日までに許可を取りたい」「この大型案件だけは絶対に受注したい」
そうした切実な想いがあるのなら、専門家への報酬は、その案件を無事に受注できれば十分に回収できる価値ある投資と言えるのではないでしょうか。【無料相談】お急ぎの建設業許可申請に関する無料相談からお気軽にご連絡ください。
【事例】当事務所がご相談から2ヶ月半で許可取得を実現
先日、まさに「元請けから言われ、急ぎで建設業許可を取得したい」という社長からご相談がありました。
「すぐにでも欲しいんです!」という切実なご要望に対し、私はまず「神奈川県の場合、役所の審査に50日はかかります。ですから、どんなに急いでも50日+準備期間は絶対にかかってしまいます」という厳しい現実をお伝えしました。社長は少しがっかりされた表情でしたが、「その準備期間を最短にするお手伝いは全力でさせていただきます」とお話しし、二人三脚での挑戦が始まりました。

幸い、営業所の要件は問題ありませんでした。しかし、専任技術者になれる有資格者がおらず、10年間の実務経験で証明する必要があることが判明。社長は日中、現場に出られているため、ご自身で過去の膨大な資料を整理し、税理士や協力業者から必要な書類を集めるのは困難な状況でした。
そこで当事務所では、社長が必要な関係先に連絡を取ってくださっている間に、他の申請書類の作成をすべて並行して進めました。そして、社長が集めてくださった資料の中から、証明に使えるものを迅速にピックアップし、整理していきました。
この連携により、通常であれば1ヶ月以上かかってもおかしくない資料収集と書類作成の期間を、約10日に圧縮。すぐさま申請にこぎつけ、最初にご相談いただいてから約2ヶ月半で、無事に許可通知書をお届けすることができました。当事務所のご相談方法では、お客様の状況に合わせて柔軟に対応しています。
まとめ:川崎・横浜で建設業許可をお急ぎならご相談を
今回は、建設業許可の取得にかかる期間と、最短で許可を得るための方法について解説しました。
最後に、重要なポイントを振り返ります。
- 建設業許可の取得には「①準備期間」と「②行政の審査期間」があり、合計で数ヶ月を要する。
- 行政の「審査期間」(神奈川県で約2ヶ月)は、いかなる方法でも短縮できない。
- 最短での許可取得を目指すなら、自力申請でのタイムロスを避け、専門家を活用して「準備期間」の無駄を減らすことが有効な選択肢となる。
建設業許可の取得が遅れると、受注予定や元請けとの調整に影響する場合があります。手続きの不備で貴重な時間を浪費し、大きなビジネスチャンスを逃してしまうことほど、もったいないことはありません。
川崎市で建設業許認可を取り扱う「行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所」は、社長の貴重な時間を守り、ビジネスチャンスを逃さないための最短ルートをご提案します。建設業許認可業務を中心に取り扱う当事務所へ、ぜひ一度お問い合わせください。

司法書士・行政書士・社会保険労務士の猪狩佳亮(いがり よしあき)です。地元・神奈川県川崎市を拠点に、中小企業の社長さんのお悩みに耳を傾け、許認可や労務、法律手続きなどの「困った」を一緒に解決しています。3つの資格を活かし、建設業や宅建業の許可、助成金のご相談など、経営の身近なサポーターとして活動中。どんな小さなことでも、まずは気軽にご相談ください。
