建設業許可に必須!失敗しない定款の事業目的【行政書士監修】

Japanese man in a jacket holds his head in distress while surrounded by documents written in Japanese; a bright sign reads 'Construction business permit' in the background.

建設業許可は定款の「事業目的」で決まる!その理由とは?

これから法人を設立して建設業許可の取得を目指す社長様、「会社の定款、どう準備されていますか?」

もしかして、インターネットで見つけた雛形(テンプレート)をそのまま使おうとしていませんか。あるいは、「事業目的」の欄に、とりあえず「建設業」や「建築一式工事」とだけ書いておけば大丈夫、なんて思っていらっしゃらないでしょうか。

もし、少しでも心当たりがあれば、この先をぜひ読み進めてください。実は、その判断が、後々の手続きのやり直しや余計な出費につながる可能性があります。

こんにちは。司法書士・行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所の代表、猪狩佳亮です。私たちは日々、建設業許可に関する多くのご相談をいただきますが、特に会社設立の段階でつまずく方の多くが、この定款の「事業目的」で失敗されています。

なぜ、たった一つの項目がそれほど重要なのでしょうか。それは、許可を出す行政庁が、「この会社は、本当に許可を受けようとする建設工事を事業として行う意思と能力があるのか」を、まず定款で確認するからです。定款は会社の組織や事業内容を定める最も基本的な規則です。その目的欄に明確な記載がない場合、行政庁から補正や追加資料の提出、定款変更予定に関する念書の添付を求められることがあり、申請準備がスムーズに進まない原因になります。

建設業許可の申請は、様々な要件をクリアする必要がある複雑な手続きです。その入り口である会社設立でつまずかないために、まずは定款の重要性をご理解いただければと思います。

【事例】定款の目的で明暗が分かれた2つのケース

「たかが定款の目的くらいで、そんなに大袈裟な…」と感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際にこの「事業目的」の記載一つで、その後の事業スタートが大きく変わってしまったお客様がいます。ここでは、当事務所にご相談いただいた2つの対照的な事例をご紹介します。

失敗例:自己判断で設立後に3万円の追加費用が発生したB社様

「自分で合同会社を設立したのですが、建設業許可を別の行政書士に頼もうとしたら、定款の目的がダメだと指摘されてしまって…」

そう言って当事務所に駆け込んでこられたB社の社長様。ご自身で作成された定款の目的欄には、残念ながら建設業許可の要件を満たさない曖昧な言葉が記載されていました。

このままでは許可申請で補正を求められたり、許可取得までに余計な手続きが必要になったりする可能性があります。解決策はただ一つ、「定款の事業目的を変更し、法務局で変更登記を行う」ことでした。

しかし、これには登録免許税として3万円がかかります。もちろん、手続きを代行する司法書士への報酬も別途必要です。B社の社長様は、「こんなことなら、最初から設立も全部まとめてお願いすればよかった…。安く済ませるつもりが、かえって高くついてしまった」と肩を落としていらっしゃいました。

費用だけでなく、定款変更や登記手続きには時間もかかります。その間、もちろん許可申請はストップしてしまいます。ビジネスチャンスを逃すことにもつながりかねず、初期費用を抑えたつもりが結果的に追加費用を招いたケースと言えます。この建設業許可申請の手続き遅延リスクが、事業計画に影響を与えることも少なくありません。

成功例:設立前から相談しスムーズに許可取得したAさん

一方で、こんな方もいらっしゃいました。個人事業主として建設業を営んでいたAさんです。

「税理士さんから法人成りを勧められたんです。ネットのサービスを使えば簡単に会社を作れるみたいだけど、建設業ならではの注意点がないか不安で…」

Aさんは会社設立の手続きを始める前に、当事務所へご相談くださいました。私たちはAさんの現状の事業内容と、今後の事業展開のビジョンを詳しくヒアリング。現在行っている工事はもちろん、将来的に参入したいと考えている工事業種まで見据えて、最適な事業目的の文言をご提案しました。

「なるほど、将来のことまで考えてこう書くんですね。自分一人では絶対に気づけませんでした」とAさん。

最終的に、会社設立登記から建設業許可申請までをワンストップでご依頼いただき、一切の無駄なコストや時間をかけることなく、スムーズに許可を取得。Aさんは安心して事業のスタートを切ることができました。このように、設立前の専門家への相談が、将来の手続き上のリスクを抑え、結果的に効率的な準備につながります。

建設業許可のための定款について専門家に相談している男性。失敗例と成功例の分かれ道を示唆している。

建設業許可を見据えた事業目的の正しい書き方【OK/NG例】

それでは、具体的にどのように事業目的を記載すればよいのでしょうか。ここでは、建設業許可の審査で「OK」となる例と「NG」となる例を比較しながら、失敗しないためのポイントを解説します。

NG例:「建設業」「建築工事」など曖昧な表現は避ける

最もよくある失敗が、抽象的・曖昧な表現を使ってしまうことです。

  • 建設業
  • 建築工事一式
  • 各種工事の請負
  • 土木建築工事業

一見すると問題なさそうに見えますが、これらの表現はNGです。なぜなら、行政庁の審査担当者から見て、「この会社が一体、どの種類の建設工事の許可を申請したいのか」が全く判断できないからです。建設業許可は、後述する29の業種ごとに分かれています。そのため、事業目的が曖昧だと、申請の受付を断られたり、補正(修正)を求められたりする原因になります。

OK例:建設業法上の業種名を正確に記載する

最も確実で、行政庁の審査もスムーズに進む方法は、建設業法で定められている業種名をそのまま記載することです。

例えば、内装工事の許可を取りたいのであれば「内装仕上工事業」、足場工事であれば「とび・土工工事業」と、法律で定められた正式名称を正確に記載します。

【記載例】

  1. 内装仕上工事業
  2. とび・土工工事業
  3. 塗装工事業
  4. 防水工事業

このように、現在取得したい業種や、近い将来取得する可能性のある業種を具体的に列挙するのが基本です。建設業許可の29種類について、詳しくは別の記事で解説していますので、そちらもご覧ください。

参照資料
建設業法の29業種の具体的な内容については、国土交通省のウェブサイトで確認できます。
国土交通省の建設業許可制度の解説

将来の業種追加に備える包括的な記載例

「今は内装工事だけだけど、将来は他の工事もやるかもしれない。そのたびに定款変更するのは面倒だ…」

そうお考えの方も多いでしょう。そのための専門家ならではのテクニックが、個別の業種名に加えて、それらを広くカバーする包括的な文言を入れておくことです。

【包括的な記載例】

  1. 土木建築工事の設計、施工、請負及び監理
  2. 内装仕上工事業
  3. 塗装工事業
  4. 上記各号に附帯関連する一切の事業

このように「土木建築工事の設計、施工、請負及び監理」といった一文を加えておくことで、将来、現在記載していない他の建設業種の許可を追加で申請する際に、定款変更が不要になるケースが多く、手続きがスムーズに進みます。

ただし、この包括的な表現の解釈は行政庁によって若干異なる場合もあるため、専門家による適切な文言の選択が重要になります。

建設業許可が取れる定款の事業目的の書き方を比較した図解。NG例とOK例が具体的に示されている。

専門家が教える!定款に盛り込むべき建設業関連の事業目的

建設業許可に強い専門家は、単に許可を取るためだけの事業目的を考えません。お客様の5年後、10年後の事業展開まで見据え、「今、定款に入れておくべき目的」を先回りしてご提案します。これらは、ご自身で設立される際にはなかなか気づきにくいポイントです。

必要に応じて「産業廃棄物収集運搬業」も入れておくべき

建設工事の現場では、工事内容によって産業廃棄物が発生することがあります。そして、元請業者から「現場で出た廃材、自社で運んで処理してくれないか」と依頼されるケースは非常に多いのが実情です。

産業廃棄物の収集・運搬を業として行う場合には、「産業廃棄物収集運搬業」の許可が別途必要になります。そして、この産廃収集運搬業の許可申請でも、建設業許可と同様に定款の事業目的が厳しくチェックされるのです。

いざ産廃の許可を取ろうとした時に、定款に目的が入っておらず、また定款変更と登記が必要になる事態は、できる限り避けたいところです。そのため、建設業を営む会社で産業廃棄物の収集運搬を行う可能性がある場合は、定款に「産業廃棄物収集運搬業」という目的を設立時から入れておくことをお勧めします。

その他、相性の良い事業(解体工事業・不動産業など)

建設業とのシナジーが高い事業は他にもあります。将来の事業の多角化を視野に入れるなら、以下のような事業目的も設立当初から盛り込んでおくとよいでしょう。

  • 解体工事業を行う場合:「古物営業法に基づく古物商」
    (解体現場で出た金属などを売却する際に必要になることがあります)
  • 不動産の売買や仲介も手掛ける場合:宅地建物取引業
  • 建築設計を行う場合:「建築物の設計及び工事監理」
  • 不動産管理を行う場合:「不動産の管理、賃貸及び売買」

これらの事業の中には許認可が必要となるものがあり、申請時に定款の目的記載を確認される場合があります。

会社設立と建設業許可は専門家へのセット依頼が最も確実で合理的

ここまでお読みいただき、定款の事業目的がいかに重要か、そして専門的な知識が必要かをご理解いただけたかと思います。最後に、なぜ会社設立と建設業許可を「セットで」専門家に依頼すべきなのか、その理由をお伝えします。

建設業許可を無事に取得し、現場で順調に仕事を進める建設業者。専門家への依頼が合理的であることを象徴している。

格安設立サービスや他士業に依頼する際の「建設業許可」上の注意点

最近は、オンラインで安価に会社設立ができるサービスも増えています。また、顧問税理士や知り合いの司法書士に設立を依頼するケースもあるでしょう。

しかし、これらのサービスや専門家が「建設業許可」の特殊性を熟知しているとは限りません。会社を設立すること自体はできても、その後の建設業許可申請で求められる特有の要件、例えば、

  • 事業目的の適切な記載
  • 許可要件を満たす財産的基礎
  • 役員の構成(経営業務の管理責任者など)
  • 事務所の要件

といった点が見落とされがちなのです。その結果、B社様のように、後から定款変更や役員変更などで二度手間と追加費用が発生するケースが後を絶ちません。「安く済ませる」はずが、時間も費用も余計にかかってしまうのでは本末転倒です。

川崎市で建設業許可を目指すなら、いがり綜合事務所へご相談ください

会社設立(登記)は司法書士の、建設業許可申請は行政書士の専門分野です。別々の事務所に依頼すると、情報の連携がうまくいかず、思わぬところで手続きが滞るリスクがあります。

当事務所の代表は、司法書士・行政書士・社会保険労務士の3つの国家資格を保有しています。そのため、会社設立の登記手続きから、建設業許可を見据えた定款の作成、そして許可申請までを、すべて一人の専門家が責任を持ってワンストップで対応することが可能です。

設立から許可取得まで、手続きの整合性を保ちながら効率よく事業開始を目指したい。そうお考えでしたら、ぜひ一度、川崎市で建設業許認可を取り扱う「行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所」にご相談ください。建設業許認可を中心に取り扱う「行政書士・社会保険労務士いがり綜合事務所」として、お客様一人ひとりの状況に合わせた最適なプランをご提案し、事業開始に向けた手続きを丁寧にサポートいたします。

ご相談は無料です。あなたの会社の未来を確かなものにするため、まずはお気軽にお問い合わせください。

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