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建設業許可おめでとうございます!次の一手は「許可票」の掲示です
この度は、建設業許可の取得、誠におめでとうございます。厳しい要件をクリアし、晴れて許可事業者となられた社長の皆様のお気持ち、私も自分のことのように嬉しく思います。
さて、許可証が手元に届き、安堵されていることと存じますが、実は許可取得後すぐに取り組むべき大切な義務があります。それが、「建設業許可票」の作成と掲示です。
一般的に「金看板」とも呼ばれるこの許可票は、単なる飾りではありません。貴社が建設業許可を受けた事業者であることを外部に示すための標識です。厳しい審査を経て取得した建設業許可という「看板」の価値を、目に見える形で示す第一歩と言えるでしょう。
この記事では、司法書士・行政書士・社会保険労務士である私が、建設業許可票の掲示義務から、サイズや素材といった具体的な作り方、違反した場合の罰則まで、皆様が抱えるであろう疑問や不安を一つひとつ解消していきます。どうぞご安心ください。
建設業許可票の掲示は法律上の義務!違反時の罰則とは?
まず、最も重要な点からお伝えします。建設業許可票の掲示は、建設業法第40条で定められた法律上の義務です。
「うっかり忘れていた」「知らなかった」では済まされず、掲示を怠った場合には「10万円以下の過料」という罰則が科される可能性があります。これは行政罰であり、刑事罰のように前科がつくわけではありませんが、会社の信用問題に関わる無視できないリスクです。特に、軽微な建設工事を除く工事を請け負うためには建設業許可が必要であるように、法律を守る姿勢は事業の根幹をなすものです。
コンプライアンスが厳しく問われる現代において、法令遵守は、企業の信頼性を判断するうえで重要な要素です。許可票の掲示は、その第一歩なのです。
根拠となる法律の条文も確認しておきましょう。
建設業法 第四十条(標識の掲示)
建設業者は、その店舗及び建設工事の現場ごとに、公衆の見やすい場所に、国土交通省令の定めるところにより、許可を受けた別表第一の下欄の区分による建設業の名称、一般建設業又は特定建設業の別その他同令で定める事項を記載した標識を掲げなければならない。

掲示が義務付けられる2つの場所「営業所」と「工事現場」
法律で定められている掲示場所は、大きく分けて2つあります。
- 営業所(店舗):公衆(お客様や取引先など)から見やすい場所
- 工事現場:工事関係者や周辺住民など、公衆から見やすい場所
それぞれに掲示する目的が少し異なります。
- 営業所の許可票:貴社が正規の許可業者であることを広く証明し、信用の証とするため。たとえ自宅兼事務所であっても、お客様が出入りする応接スペースなどへの掲示が必要です。
- 工事現場の許可票:その工事がどの許可業者によって、どの技術者の管理のもとで行われているかを明確にするため。工事の責任の所在を明らかにする役割があります。
このように目的が違うため、後ほど詳しく解説しますが、許可票のサイズや記載内容もそれぞれ少しずつルールが異なってくるのです。
【2020年法改正】下請業者の現場掲示義務は緩和されました
ここで、専門家として最新の情報をお伝えしておきます。2020年10月1日に施行された改正建設業法により、工事現場における許可票の掲示義務が緩和されました。
具体的には、工事現場での掲示義務があるのは「元請業者のみ」となり、下請業者は、元請業者が掲示する施工体系図によって情報が確認できるため、原則として自社の許可票を掲示する必要はなくなりました。
この法改正は、社会保険加入の義務化などと並行して進められた建設業界の働き方改革の一環です。下請業者の皆様にとっては、現場ごとの許可票作成・設置の手間が省ける大きな変更点ですので、ぜひ覚えておいてください。
【見本付】建設業許可票の正しい作り方|サイズ・記載事項を徹底解説
それでは、実際に許可票を作成する際の具体的なルールを見ていきましょう。営業所用と工事現場用、それぞれの法定サイズと記載事項を、見本とともに分かりやすく解説します。
①営業所(店舗)に掲示する許可票のルール
まず、営業所に掲げる許可票について確認します。お客様や金融機関の担当者などが目にする機会も多いでしょう。
- サイズ:縦35cm以上 × 横40cm以上
- 掲示場所:受付や応接室など、外部の人が見やすい場所
- 記載事項:
- 商号又は名称
- 代表者の氏名
- 一般建設業又は特定建設業の別
- 許可番号(「知事許可」か「大臣許可」か、許可を受けた年月日も含む)
- 許可を受けた建設業
- この店舗で営業している建設業

②工事現場に掲示する許可票のルール
次に、工事現場に掲示する許可票です。営業所用に比べてサイズは少し小さくなりますが、追加で記載すべき項目があります。
- サイズ:縦25cm以上 × 横35cm以上
- 記載事項:営業所用の記載事項①~⑤に加えて、以下の項目が必要です。
- 主任技術者又は監理技術者の氏名
- 専任の有無
- 資格名・監理技術者資格者証交付番号(該当する場合)
特に重要なのが、技術者に関する情報です。工事ごとに配置される技術者は変わりますので、その都度、正しい情報を記載しなければなりません。この技術者配置は、経営事項審査(経審)においても評価される重要なポイントです。
【費用は?】素材・材質の誤解を解く!高価な金看板は必須ではない
「許可票といえば、金色に輝く立派な金属製の看板(金看板)を用意しないといけないのでは?」
そう思われている社長は、実は非常に多いです。そして、その費用の高さに頭を悩ませる方も少なくありません。
しかし、ご安心ください。法律上、許可票の素材や色に関する規定は一切ありません。
極端な話、定められたサイズと記載事項さえ満たしていれば、紙に印刷してラミネート加工したものでも法的には全く問題ないのです。
以前、新規で許可を取得されたある会社の社長から、こんなご相談を受けたことがあります。
「先生、よく他所の会社で見かける金色の立派な看板、あれって絶対に買わないとダメなんですか?結構な値段がすると聞いて、正直迷ってるんです…」
私はその場で、「いえいえ、法律で素材は決まっていませんから、条件さえ守れば紙でも大丈夫ですよ。ただ、せっかくですから見栄えも大事ですよね。最近はネット通販で1〜2万円も出せば、きれいなアクリル製のものが作れますよ」とお伝えしました。すると社長は「え、そんな値段でできるんですか!」と驚かれ、すぐに作成を希望されました。記載内容に間違いがあっては大変ですので、アフターサービスとして当事務所で発注を代行させていただきました。
もちろん、会社の顔である営業所には、信頼感を与えるステンレス製やアクリル製のものを選ぶのが一般的です。一方で、雨風にさらされる工事現場用には、安価で加工しやすく、耐久性にも優れたアルミ複合板などがよく利用されます。
大切なのは、法律上のルールを正しく理解し、会社の状況や予算に合わせて適切な素材を選ぶことです。必要以上に高価な看板を用意しなくても、法定要件を満たしていれば問題ありません。
許可票作成・管理でよくある質問と注意点
ここでは、許可票を実際に作成・運用する上で出てくる、より細かな疑問についてQ&A形式でお答えします。
許可更新や内容変更時、看板はどうすればいい?
建設業許可は5年ごとに更新が必要です。また、代表者や商号、営業所の所在地などが変わった際にも変更届が求められます。その場合、許可票の記載内容も修正しなければなりません。
「毎回、高価な看板を作り直すのはちょっと…」と感じる方もいらっしゃるでしょう。ご安心ください。実務上は、変更箇所に上からシールを貼って修正する方法も認められています。
先日も、許可更新を終えた社長から「許可番号や有効期間が変わったけど、看板はどうすればいい?テプラでも貼っておけば大丈夫かな?」とご質問がありました。私は、「もちろん、それでも問題ありません。ただ、見た目が気になるようでしたら、ネットの看板業者さんで修正用のきれいなシールを作ってくれるところもありますよ」とアドバイスさせていただきました。
コストを抑えたい場合はシールでの修正、会社の節目として心機一転したい場合は作り直し、と状況に応じて判断するのが良いでしょう。こうした役員変更や本店移転などの手続きと合わせて、許可票のメンテナンスも忘れずに行うことが大切です。
最新動向:デジタルサイネージでの掲示も可能に
建設業界でもDX(デジタルトランスフォーメーション)が進む中、許可票の掲示方法にも新しい動きがあります。国土交通省の令和4年1月27日付通知により、一定の要件を満たせば、デジタルサイネージ等による掲示も認められるようになりました。
ただし、誰でもすぐに導入できるわけではなく、「公衆や関係者が容易に内容を確認できること(常時表示、十分な輝度など)」といった条件を満たす必要があります。先進的な取り組みではありますが、導入を検討する際は、費用対効果や運用の手間を慎重に考える必要があるでしょう。
建設業界の電子申請化も進んでいます。詳細については、国土交通省のウェブサイトもご参照ください。
自作は可能?作成時の最終チェックポイント
「許可票は自作できますか?」というご質問もよく受けます。答えは「可能ですが、細心の注意が必要」です。
業者に依頼する場合でも、自作する場合でも、最も重要なのは「記載内容の正確性」です。万が一、許可番号や会社名、代表者名などに誤りがあれば、許可票としての効力が認められないだけでなく、作り直しの費用と手間がかかってしまいます。
発注前や掲示前には、必ず許可通知書の原本と照らし合わせ、以下の点を最終チェックしてください。
- 商号・名称は登記どおりか?
- 代表者氏名の漢字は正しいか?
- 許可番号、許可年月日は間違っていないか?
- 許可業種名は正確か?(例:「とび・土工工事業」など)
もし少しでも不安があれば、専門家に最終チェックを依頼することをお勧めします。当事務所でも、ご相談の際に内容の確認を承っております。
許可取得後に必要となる継続的な法務サポート
建設業許可は、取得したら終わりではありません。今回解説した許可票の掲示義務はもちろんのこと、毎年の決算変更届、5年ごとの更新申請、役員や本店の変更届など、許可を維持するためには継続的な手続きが不可欠です。
日々の業務でお忙しい社長が、これらの法務手続きをすべて正確に、期限内に管理していくのは大変なご負担かと思います。
私たち、いがり綜合事務所は、司法書士・行政書士・社会保険労務士の3つの資格を活かし、建設業許可の新規取得から、その後の維持・管理までをワンストップでサポートしています。許可取得後の許可票作成の手配や記載内容のチェックといった細やかなフォローから、毎年の決算変更届、更新手続きの管理まで、まるごとお任せいただけます。
私たちは、単発の申請代行で終わるのではなく、建設業許可に関する手続きや関連書類の作成・管理を継続的に支援し、長期的な視点で事業運営を支えるパートナーでありたいと考えています。何かお困りのことがあれば、「ちょっと猪狩さんに聞いてみよう」と、いつでも気軽に建設業許可に関する相談ください。社長が本業に専念できる環境づくりを、私たちが全力でサポートいたします。

司法書士・行政書士・社会保険労務士の猪狩佳亮(いがり よしあき)です。地元・神奈川県川崎市を拠点に、中小企業の社長さんのお悩みに耳を傾け、許認可や労務、法律手続きなどの「困った」を一緒に解決しています。3つの資格を活かし、建設業や宅建業の許可、助成金のご相談など、経営の身近なサポーターとして活動中。どんな小さなことでも、まずは気軽にご相談ください。
